【京都地裁、『Winny』開発者に著作権違反幇助で罰金150万円】 について
今更な感が漂う話題ですが、興味がわいたのでちょっと書いてみます。と言っても、ただの世間話みたいなレベルなので、真剣に読まなくて結構ですが。
※文字が大きすぎると思ったらブラウザの方で調節できるので、やってみてください。ただし小さすぎるかもしれないけど。長くてスイマセン(アスキーニュース<http://ascii24.com/news/i/topi/article/2006/12/13/666528-000.html>から引用)京都地裁、『Winny』開発者に著作権違反幇助で罰金150万円 2006年12月13日 京都地方裁判所で13日、ファイル交換ソフト『Winny』を開発し、著作権違反幇助の罪を問われていた金子勇被告に対する判決が言い渡された。
Winnyを無償で配布したことにより、著作権違反を幇助したとして、判決では違法性を認め、罰金150万円の有罪判決を言い渡した。
そもそもどういう事件なのか
Winny(ウィニー)というのはファイル交換ソフトのひとつで、主に個人的なデータファイルの交換の為に開発、公開されてきました。(詳しくはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/Winnyを見てもらえば分かると思います。)
実はこのWinnyというソフト、技術こそ合法ですが、使用目的は、法にひっかかるものでした。
その代表的なものが音楽データの交換です。現在、邦楽の作者のほとんどは日本音楽著作権協会(JASRAC)に加盟しており、音楽著作権の管理をしています。ですが、Winnyを使用し、JASRACに許可を得ることの無い交換が相次ぎました。
他にも、動画メディアや写真集の画像データ、コンピュータソフト、小説のテキストデータ等、許可を得ない交換が多発し、これまでに使用者逮捕が数件出ていました。そして2006年12月13日、ついに作成者である金子勇氏が犯罪幇助の罪で罰金150万円の有罪判決を受けました。
が、「元々幇助法というのは極めてあいまいに定められている」ということや、「そもそもソフトを作ったことは違法ではなく使用者側に非がある」という主張から、判決に不満の声も大きく、議論が分かれています。
罪の有無についての論点
この事件の論点は、「金子氏の開発理由」にあります。なぜなら、犯罪に協力する形になった時の意思によって、判決は大きく左右されるからです。
たとえば、包丁で人を刺した人がいるとします。この人はもちろん殺人の罪として裁かれますが、包丁を作った職人さんはどうでしょうか。その職人さんが殺人のことを知らずに包丁を作ったとすれば、幇助の罪では裁かれませんが、知っていて作ったとなれば当然、幇助の罪で裁かれます。
この一例に今回の事件を当てはめてみると、金子氏が包丁職人。違法データを交換した人が、殺人者です。
当然、金子氏に幇助の意思があれば裁かれますが、意思が無ければ裁かれない。 ─と、いうことになります。
では今回の事件ではどうでしょうか。
まず金子氏は開発・公開をするにあたり、2ちゃんねるを使用しましたが、その掲示板内で、違法データの交換をほのめかすような発言をしています。この発言は本人も認めているもので、十分判断材料になります。
この発言から推測するに、金子氏は幇助の意思はあったのだろうと思います。よって、程度の差はあろうと、有罪になったのは間違いではないと思います。
使用者に対する行動
と、いうことで、警察側はめでたく?金子氏を逮捕することができたわけですが、金子氏は幇助の罪で罰金を取られただけであって、直接の犯罪者であるユーザは取り締まることができていません。これはWinnyの技術面(後述)を見る限り、完全な取り締まりは現状不可能であり、これからもできないであろうと言う事が、容易に推測できます。
しかし、だからと言って、このような状況を続けるわけにはいかないでしょうし、これからもWinny使用者に対する取り締まりは厳しくなっていくと思われます。
ただ、Winnyの技術自体は合法であり、他のソフトでは、有効に使われている場合も多いことから、違法に利用していると決めるのは容易ではなく、Winny自体、最悪の場合はP2P技術(後述)まで、国内では禁止されてしまう恐れもあります。
P2P技術
Winnyは「P2P(ピィ・トゥ・ピア)」という技術を使い、ファイル交換をしていますが、この技術を取り入れたことで、使用者を割り出すことや、Winnyの使用をとめることができなくなってしまいました。
一般的なFTPプロトコルなどを使ったファイル交換は、ファイルをためておくサーバという高機能なコンピュータがどうしても必要になります。
それに反し、P2P技術は、サーバを使用せずにファイル交換を行うことができます。
つまり、一般的な交換技術では、サーバを止めればサービスは強制終了できるのに対し、P2P技術を用いたWinnyは、サーバが存在しないので、この方法を取ることができず、サービスを止めることはできません。しかも、この技術を使ったソフトは世界中に多数存在し、Winnyを止めてもユーザはそのソフトに移るだけで、極端に減ることは考えられません。
もっと悪いことに、この技術、違法でないばかりか、これからのIT業界にとって、かなり重要な技術であり、この技術を禁止すると、技術者が大量に海外に移る等で、日本の技術が遅れることは目に見えています。
その為、P2Pの有用性を十分承知している技術者からの反発は大きく、これからのIT業界と著作権の付き合い方を真剣に考える時期に来ているのではないかと思えてなりません。
結論? 最後に。
今回の事件については金子氏は無罪にするべきだという世論が飛んでいますが、現在の社会的な面から見ると、やはり有罪にするべきだと思います。ただ、金子氏だけにその責任を負わせるとなると、罰金150万円という判決はどう考えても安すぎ、そもそも金子氏だけに責任を負わせるのも無理があるという考えから、判決には不満が残ります。
元々インターネットというものは、著作権に対するトラブルが多い場であり、このままでは、今後も増え続ける事が予想されます。
今回のような満足のいかない結果に終わってしまい、私から見ても、非常に残念ですが、この一件は決して無駄に終わったとは思いません。なぜなら、この事件は多大な話題性を与えてくれました。この事件を経験にし、インターネットと著作権は切っても切れぬ仲と知った上で、世論が正しい方向へ向かうのを願います。
以上、長い長い演説でした。(´ω`)
